THE VOICE|special interview:「映画にかける思い」映画業界に関わる著名人の方々に、さまざまな角度やテーマで映画にまつわるお話をしていただきます。/VOICE21 女優 トリンドル玲奈

爆発のシーンはけっこう近かったので、危なかったです

― 『リアル鬼ごっこ』は衝撃的な展開の連続ですが、試写の第一印象は、いかがでしたか?

『リアル鬼ごっこ』

すごいなって思いました。映像に音が入って、とんでもないものが出来上がったと思いました(笑)。撮影中は一度もモニターを観ていなかったので、どういう映像に仕上がるかまったくわからなかったんです。だから、衝撃の連続でしたね。爆発のシーンはけっこう近かったので、危なかったです。一瞬、熱かったです(笑)。ただ、あそこまでじゃないと、本当に鬼気迫った感じが出ないと思うので、大切なシーンだったと思います。必死でした。

― 走って逃げている時の真剣な眼差しに必死の感情が出ていましたが、大変な集中力です。

演じる役柄が、その場で観ているもの、受けているもの、本当にそのことだけしか考えていないですね。ほかのことを考えている余裕はなかったです。爆発が起きたら、逃げなきゃいけない。そういうことだけです。園監督は役柄がどうという、撮影前の具体的な説明は控え目な方で、反対に現場でシーンが増えたり、カットがかからなかったり、急に長回しになったり、セリフが直前に一言二言増えるとかが多かったので、集中力は必要でした。

― 園監督はリハーサルもないと聞いたことがあります。印象に残った演出はありますか?

「もっとパッションを!」と言われたことはありました。本当に、そういう一言なんですよね。学校のシーンで友だちのアキに夢を見たこを説明するシーンでは、「もっと興奮して! もっとパッションを!」と。でも、そのおかげでお芝居がわかりやすかったです。

映画を観るなら、大きなスクリーンで観たいと思うタイプです

『リアル鬼ごっこ』

― 「イオンシネマ」は日本最大のスクリーン数を誇るシネコンで、独自のイベントなども劇場内で積極的に行ってはいますが、日頃シネコンに映画を観に行くことはありますか?

行きますね。映画を観るなら、大きなスクリーンで観たいと思うタイプです。やっぱり音響や迫力が全然違いますよね。1人でも行きます。母とも行きます。友だちとも行きます。友だちがすすめてくれた映画を観たり、話題になる作品は観ていますね。物心ついて最初に映画館で観た映画は、『戦場のピアニスト』(03)。重くて、怖かったです。でも、観たかった。小学生だったかな? 母にお願いして。小さい頃も行っているはずですが、記憶に残っている映画がそれでした。怖いけれど、美しい印象で感動した記憶があります。

― たとえば『リアル鬼ごっこ』みたいな娯楽作の場合、どういうスタイルで鑑賞しますか?

映画に集中したいので、映画館ではポップコーンを買わないで観ますね。ひとりで行く時は、飲みものを買ってリラックスして観ます。でも、お友だちと行く時はポップコーン、買っていますね(笑)。映画館は画面が大きくて音も大きいので、家での鑑賞と全然違って、観に行くこと自体が印象、想い出に残りますよね。

トリンドル玲奈

― 今回の『リアル鬼ごっこ』など、ご自分の出演作を映画館に観に行くこともありますか?

はい。映画館に観に行きたいですね。友だちと一緒に行って、その反応を直接確かめたいかな(笑)。後からメールとかで知るのではなく、観終わった直後の反応を知りたいです(笑)。

勉強になることが多かった作品なので、応援してください

トリンドル玲奈

― それにしても悲壮感いっぱいの表情がすごかったですが、どういう準備をしましたか?

脚本を見ていても、こういう現場になるだろうとか想像しにくい作品と言いますか、園監督の作品なので、わからないですよね。自分で想像したところで、あの方の想像力には、どう頑張っても追いつかないので、健康な状態を作りました。ちゃんと食べて、ちゃんと寝て、現場に行って何をリクエストされても対応できるようにする。そういう日々でした。

― 『リアル鬼ごっこ』を「イオンシネマ」で観るファンは、腰を抜かすほど驚きますよね。

映画の現場って、行くと完璧に出来上がっていますよね。そこに監督がいて、スタッフさんが大勢いて、その状態でGOがかかればやるしかない。ミツコとしての恐怖感もありますが、いろいろ感じることがあって、それが顔に出ているかもしれないです(笑)。

― 最後になりましたが、『リアル鬼ごっこ』と出会って、よかったことなど教えてください。

すごくいろいろなことを学びました。過酷でしたが、今まで体を動かす機会が少なく、運動がすごく苦手だったのですが、今回、この作品のために走ったり体幹を鍛えるトレーニングをしました。篠田(麻里子)さんはアクションシーンがあったので、その練習を真横で見ることもありました。練習をすればここまでできるようになるのかとも思ったり、周りにもすごく刺激を受けました。勉強になることが多かった作品なので、応援してください。

Profile


							トリンドル玲奈 女優・モデル:1992年1月23日生まれ。オーストリア出身。2009年にデビュー。講談社「ViVi」モデルとして活動のほか、多くのCMやドラマ・映画など幅広く活躍。主な出演作としては、映画「呪怨-終わりの始まり-」(落合正幸監督)、CX「ビブリア古書堂の事件手帖」、NTV「ダンダリン 労働基準監督官」、CX「ロストデイズ」、TBS「ごめんね青春!」、TX「不便な便利屋」、現在、NHKBSプレミアム「ある日、アヒルバス」、TBSドラマ「37.5℃の涙」が放映中。映画「任侠野郎」も今秋公開予定。
取材・構成・撮影/鴇田 崇(OFFICE NIAGARA)

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