THE VOICE|special interview:「映画にかける思い」映画業界に関わる著名人の方々に、さまざまな角度やテーマで映画にまつわるお話をしていただきます。/VOICE41 女優 北乃きい

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“ラスト24分、本物のショーを観ているような感覚になりました

TAP THE LAST SHOW

―本当に素敵な作品でしたが、完成した作品を観ていかがでしたか?

ラスト24分は、実はわたしは関わっていないシーンなのですが、完成した作品を観て本物のショーを観ているような感覚に自分自身もなりました。衣装もメイクもそのシーンだけのために特別に作っているそうで、そこを考えると水谷監督の並々ならぬ情熱を感じます。リハーサルも拝見していましたが、涙が出そうになりました。タップ経験がないので完全にはわかっていないかもしれないですが、華として参加して本当にうれしく思っています。

―そのタップダンサーの恋人・華というキャラクターは、どういう女性でしょうか?

男性に支持されそうな女の子で、自分で観ていてもかわいいなと思っていました。そこが彼女のいいところですね。作品全体のトーンが明るくはないので、華ちゃんの登場シーンでほっとすることもあると思います。素敵な女の子ですよね。水谷さんは俳優でもあるので、ご自分でも動いてもくださって。同じようにはできないですが、頑張って表現しようと努めました。わたしが知らないお芝居を教えてくださって、そこで彼女が生まれました

―彼女をはじめ、登場人物が魅力的に映っていました。お気に入りのシーンは、どこでしょうか?

岸部一徳さんと水谷豊さんが、ベンチで座っているシーンがすごくよかったです。どことなくフランスの映画っぽくて、ほっこりするような印象が残っています。自分のお芝居も、まるで自分じゃないみたいな印象でした。いろいろなものがつめこまれているから、お腹がいっぱいになるような映画だなと思いました。本当に外国の映画を観ているみたいで、照明も凝っていてかっこいい。アングルも毎回意外なところから入るので、素敵でしたね。

座る位置はJかH列。半券もパンフレットもレシートも保存。それがこだわりかも(笑)

TAP THE LAST SHOW

―ところで普段、「イオンシネマ」のようなシネコンで映画を観ることはありますか?

はい。映画館で映画を観たいので、映画館には行きます。洋画が多いです。海外にいても行きます。留学先で『カンフー・パンダ』(08)を観ました。言葉はわからないけれど、映画館で観ることが楽しかった。海外では国によって楽しみ方が違うので、映画館で映画を観ることって、やっぱり面白いなって思いますね。日本と全然違うので、面白かったです。

―シネコンでは、こだわりの鑑賞法などありますか?

それは作品に寄ります。ポップコーンが進みそうな作品の時は買いますし、そうじゃないじっくり観たい作品の時は何も買わないです。ただ座る位置は、たいがいJかH列です。スクリーンの大きさを調べて、より大きなスクリーンの場合、J列に座ります。J列が埋まっていると、H列にします。しかも半券を全部とっておく主義で、パンフレットも必ず買います。全部自分で買いたいんです。レシートも保存。それがこだわりかもしれないです(笑)。

―現時点でのマイベストな作品は?

『縞模様のパジャマの少年』(09)がよかったです。これがいま、一番好きな映画ですね。それはもう衝撃的な映画で、あまり言いたくはないですが、子どもと子どもの物語で、その背景には歴史や大人の物語があって、メイキング映像も衝撃的でした。あるシーンがアドリブだったとか、驚くことが多かったですね。もともとあった歴史を元にしている物語なのですが、いつまでも胸に残る映画って、いい映画というよりショッキングなんだなって思いました。後で持ち帰れる映画がいいです。引きずるような作品が好きだと思います。

技術力をもっと身に付けたい 人一倍の努力をひたすらするしかないです

北乃きい

―監督として活躍する水谷さんを観ていて、何か想うことはありましたか?

まったく眠れていないはずなのにいつも楽しそうにしていらして、ご自身でもそうおっしゃっていました。心に余裕がないと無理ですが、そういう大人の方はかっこいいですよね。わたしも受け入れる性格で、多少のことでは動じない性格なので、キャパシティーがすごいとよく言われはします(笑)。もともと動かされる側の人間なので、どうしたいということがないからかもしれないですが、水谷監督はいろいろなことを受け入れながら、自分でこうしたいというイメージも完璧なんです。そこは本当にすごいなって、感心していました。

―また、最近では情報番組のMCを務めるなど、女優以外のフィールドでも活躍目覚ましいですよね。

今年で14年目になります。朝の情報番組を2年間経験して、臨機応変に対応しなくちゃいけないことも学びました。芸能のお仕事には、プラスになったと思います。当時は全紙、毎朝目を通していて、その状態で打合せに参加して、ニュースも観て勉強して、調べる力が身に付きました。どこかに活かしていきたいです。女優としても足りない点があって、技術力をもっと身に付けないといけないです。人一倍の努力をひたすらするしかないです。

―最後になりますが、今回の作品を待っている方々にメッセージをお願いします。

この『TAP THE LAST SHOW』は、水谷監督が構想に約40年を費やした、愛情が強い濃い素敵な作品になっています。ラスト24分の大迫力のステージのシーンに本当に感動しますし、主人公の葛藤や苦悩にも感動や共感をしていただけると思います。まるで外国映画のような雰囲気の素敵なエンターテインメントになっているので、ぜひ映画館でご覧ください。

Profile

北乃きい 女優 1991年3月15日生まれ、神奈川県出身。主な映画の主演作として、『幸福な食卓』(07/日本アカデミー賞新人俳優賞受賞)、『ラブファイト』(08)、『ハルフウェイ』(09)、『僕は友達が少ない』(13)など。そのほか歌手デビューや、2014年からは2年間、朝の情報番組「ZIP!」(NTV)で総合司会を務めるなど、ジャンルの枠組みに囚われない幅広い活躍を続けている。
取材・構成・撮影/鴇田 崇(OFFICE NIAGARA)
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