THE VOICE|special interview:「映画にかける思い」映画業界に関わる著名人の方々に、さまざまな角度やテーマで映画にまつわるお話をしていただきます。/VOICE42 俳優 デイカー・モンゴメリー・女優 ナオミ・スコット

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スーパーヒーローはあくまで比喩。彼らはリアルな問題に直面するのさ(デイカー)

―スーパーヒーロー映画は数ありますが、『パワーレンジャー』ならではの魅力とは何だと思いますか?

パワーレンジャー

デイカー:

多種多様なキャストが参加していることがまずあると思う。ほかのスーパーヒーロー映画では、まずこういうタイプのものはないからね。初めは反発しあっていてお互いに嫌っているけれど、だんだんと距離が近づいていく。スーパーヒーローは、友情の比喩として使われているわけだよね。僕はたくさんのヒーロー系の作品を観ているけれど、そういうタイプの作品はなかなか出て来ないと思っているよ。

ナオミ :

友だちと一緒にスーパーヒーローになっていくストーリーだから、キッズたちが少なくともメンバーの誰かに共感してもらえればうれしいわ。実生活で直面するような問題に、僕たちのキャラクターは直面するからね。

デイカー:

今回、10年ぶりの日本でね。いろいろなところにツアーで行っていて、どこにいっても言語が違ったり文化が違うけれど、みんなどこかで同じなんだということをすごく感じているよ。映画の中の誰かに共感できるといいと彼女が言っていたけれど、どこかに自分との共通点を見つけられると思うし、とても普遍的な物語だと言っていいと思う。

一度観ただけではわからないディテールもあるので、注意して観てほしいわ(ナオミ)

ー気に入っているシーンや大変だったシーンは、どこでしょうか?

デイカー・モンゴメリー&ナオミ・スコット

ナオミ :

谷を飛び越えるシーンよ。あれは飛ぶという経験に一番近かったことで、後ろにだけワイヤーを着けていたので、まるで何も着けていないかのような気持ちで谷を飛ぶの! 人間の本能に反するような、わくわくする気持ちがすごかったわ。飛んだら手足を動かさなくちゃいけないけれど、あれは意外に難しくて特に苦労したテイクなの。最初の頃は『E.T.』で自転車をこいでいるシーンみたいだったわ(笑)。

デイカー:

僕のベストのシーンは、皆がいろいろなことを秘めていて秘めている想いをキャンプファイヤーで言いあうシーンさ。ああいうことって実生活では普段やらないと思うから、そこがすごくよかったかな。夜中に戦う直前のシーンでは、アップを50回もテイクしてね。しかもカットになっていた(笑)。朝3時の撮影で、監督は何度も何度もテイクする人でね。そうとう遅い時間でケータリングのチョコレートを食べたかったけれど、そのシーンの撮影が大変だったよ。

ナオミ :

わたしが大変だと思ったシーンは、水中のシーンが一番辛かったわね。一日中水中にいなくちゃいけなくて、しかもスーツを着ていたのよ。重いブーツも履いていて、水の中を歩かなきゃいけないから、すごくエネルギーを使うの。5人の中には水泳が得意な人もいてデイカーは魚みたいに水泳が得意だったけれど、わたしは波が怖いし、水深も深いので大変だったわ。

ー本作は日本生まれのヒーローということで待ち焦がれていたファンも多いですが、彼らが喜ぶようなコアな情報はありますか?

デイカー:

タイタン級のバトルだよね。『パシフィック・リム』みたいなね。要するにビルと同じ大きさのクリーチャーって、日本的なものだよね? 恐竜という古代的な要素やオリジナルのシリーズに基づいているところもかなりあるけれど、アップデートも必要だったと思うよ。 20年以上経っているとスペシャルエフェクトも革新的になっていて、ある意味で本当にスペクタクルな映画だよ。特に後半の戦いはそうだ。 それと、スーツもリアルに作っている。単なるスペシャルエフェクトだけじゃなくて、そういう進歩も観てほしい。

ナオミ :

ディテールで言うと多くの人が知らないことだと思うけれど、スーツの胸当ての部分がVFXで、基本的に宇宙や世界を象徴しているのよね。だからそれを身に着けているということは、人の自分の中には宇宙や世界が内在しているということを描いているの。多くの人は一度観ただけではわからないと思うので、そこを観てほしいですね。

5人の友情が育まれていく過程は、わたしたち自身そのもの(ナオミ)

―5人の若者がチームワークを強めていく過程も描かれますが、みなさん自身はどうやって強い絆を形成したのでしょうか?

パワーレンジャー

デイカー:

まず台本読みを5人だけでやったよ。一人の家でね。3時間の間に笑って泣いて、そこで結びつきが強くなったよ。僕たちはさまざまな国、育ちもまったく違うわけだけれど、その3時間でとても強く結びついた。映画の撮影中も友情を育み、もっともっと親しくなったけれど、その最初の3時間が貴重だったよ。

ナオミ :

ビールを飲みに行ったり、一緒に遊びに行ったりしたわ。面白かったことは、一日中現場で一緒だったのに「夕食はどこに行こうか?」みたいな話になるくらい仲が良かったということね(笑)。友情が育まれていたことは確かだったけれど、お互いをサポートしあっていたからかも知れないわ。誰かの元気がなくなってしまったら、ほかの人がサポートするとかね。かばいあったりする、そういう関係性が大切よね。それは皆で学んでいたからだと思うし、同じようなポジションにいて経験をわかちあっていたからだと思う。このキャストでは、わたしとベッキーが女の子だったけれど、お互いにサポートしあっていてオープンだったので、すごく仲が良くなったわ。友情が育まれていく過程を、わたしたち自身のそれを反映しているところはあったわよね。

―成長していく5人の物語でしたが、この映画を通じて成長を感じましたか?

デイカー:

いい質問だね。それは初めて聞かれたよ。すごく成長したと思う。大学卒業する直前にこの役が決まったので、ちょうど第一章が始まるという時期でね。本当にプールで言うと一番深いところに投げ込まれた感じで、泳ぎ方も知らないから学ぶしかないわけだよね。ハリウッドデビュー、映画デビューでもあったから、本当にラッキーだった。

ナオミ :

撮影現場の経験はあったけれど、こういう大掛かりなスタントがあるような実用的な側面が強いアクションものは初めてだったの。トレーニングや殺陣、アクションの振り付けなど、自分が演技している時にカメラがどこにあるのかとか、どう動くのかとか、そういうことを学ばなければならなかった。そういう意味では、初めての経験だったわ。

Profile

デイカー・モンゴメリー 俳優 1994年生まれ。オーストラリア出身。ヒュー・ジャックマンを輩出した、西オーストラリア・パフォーミングアート・アカデミー(WAAPA)卒。2010年に地元オーストラリアの短編映画『Bertrand the Terrible』で俳優デビューを経て、本作でハリウッドデビューとなる。 ナオミ・スコット 女優 1993年生まれ。イギリス出身。主な出演作に映画『オデッセイ』(16/リドリー・スコット監督)、有名な実話を元にした『チリ33人 希望の軌跡』(16/パトリシア・リゲン監督)などがある。また女優としての活動の他シンガー・ソングライターとしても活躍している。
取材・構成・撮影/鴇田 崇(OFFICE NIAGARA)
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