THE VOICE|special interview:「映画にかける思い」映画業界に関わる著名人の方々に、さまざまな角度やテーマで映画にまつわるお話をしていただきます。/VOICE49 女優 平祐奈

ビビリでヘタレなヒロインの奈緒は、私とは正反対なんです

honey

―『honey』で、臆病なヒロイン・奈緒を演じていますが、役作りする際に苦労したところはありましたか?

ビビりでヘタレな奈緒は、どちらかというと私自身とは正反対。 人と目を合わせられないくらい内気なので、目線の合わせ方やひとつひとつの仕草など、 細かなところを考えながら作っていって…。難しかったですね。

―オドオドしている時の、どこか挙動不審な動きなど、どういうふうに編み出しましたか?

監督から「もっと身体全体で表現していいよ」と言われたので、驚く場面ひとつにしても、動きやリアクションを大きくしました。 私が、漫画原作の作品の時によくしているのが、漫画の絵を切り取ってノートに貼り付けることなのですが、 今回も原作の奈緒の顔部分を全部切り取ってノートに貼り付け、“ここはこんな風に”など書いておく“奈緒ノート”を作って、 演じるときの参考にしていました。

―表情が多彩で、“顔芸”とでもいいたくなるシーンも結構ありましたね(笑)。

そうなんです。たとえば、不良の鬼瀬くんから名前を呼ばれて、「放課後、体育館裏で待っている」と奈緒が言われるシーン。 「私のことじゃない」ととぼける奈緒が変な表情をするのですが、撮影前に監督から 「すごく楽しみにしている」と言われて、 すごいプレッシャーで(笑)。考えた末に、顎を突き出した、あの感じになりました(笑)。

奈緒が変わっていく姿を、大事に演じました

小林稔侍

―奈緒に共感できないところはありましたか?

ヘタレなところ(笑)。でも実は私も、高校1年生までは、“ノー”や言いたいことを言えずにいたんです。 でも高1の夏、兄が住んでいるロスに留学した時、あることで兄から「ハッキリ言わなあかんやろ」 「イエスマンになったらあかんねん」と滅茶苦茶怒られたことがあって、それ以来、頑張って言えるようになりました。

―ヘタレだった奈緒も、どんどん成長していきますね。 大好きな叔父の宗介さんと、好きになっていく鬼瀬くんに見守られながら、というのが大きいですよね。

奈緒は、叔父さんである宗ちゃんのことが好きな自分は変だよね、と思いつつ、鬼瀬くんに告白されると怖くて断れない。 そんななかで、少しずつ鬼瀬くんに対する“好き”を築いていき、自分の気持ちを伝えられるようになって。 真っ直ぐで純粋な鬼瀬くんと出会って、奈緒がどんどん前向きになって変わっていく姿は原作でも 描かれていたので、そこを大事にしよう、と思いながら演じました。

―鬼瀬君と本気で付き合うということは、宗ちゃんから親離れをするという切なさも同時にありますよね。 19歳の平さんとしては、“親離れ”ってどう感じますか。

私はすぐ上の兄とも8歳も離れているので、末っ子というより一人っ子のように育って。 私は一人で何でも平気なのに、両親はとにかく心配するんです。もう両親もそんなに若くないし、大切にしなきゃな、 と改めてありがたみを感じるようになりました。私以外は兄も姉もみな結婚しているので、 私まで結婚したら寂しいんじゃないかな、と思っていたのですが、最近、 「私たちももう若くないから、早く結婚した方がいい」と言われて、ビックリしました(笑)! プレッシャーです!

悪い役にも挑戦して、演技の幅を広げていきたいですね

星めぐりの町

―鬼瀬君と本気で付き合うということは、宗ちゃんから親離れをするという切なさも同時にありますよね。 19歳の平さんとしては、“親離れ”ってどう感じますか。

私はすぐ上の兄とも8歳も離れているので、末っ子というより一人っ子のように育って。 私は一人で何でも平気なのに、両親はとにかく心配するんです。もう両親もそんなに若くないし、 大切にしなきゃな、と改めてありがたみを感じるようになりました。私以外は兄も姉もみな結婚しているので、 私まで結婚したら寂しいんじゃないかな、と思っていたのですが、最近、 「私たちももう若くないから、早く結婚した方がいい」と言われて、ビックリしました(笑)! プレッシャーです!

―既に制服年齢を過ぎていますが、撮影でまた制服を着る気分はどうですか?

確かに、ふと気づくと単なるコスプレですよね(笑)。実は私、小学校を受験したのもお気に入りのセーラー服が 着たかったから、というほど制服に強い憧れを持っていて。中高が私服だったので余計ですが、 今、撮影を通して夢が叶っている状態。これからもまだまだ着たいです!

―最後に。今年で20歳を迎えますが、改めてどんな女優になるための一歩を踏み出したいですか?

まだまだ制服も着させてもらいたいなと思っていますが、ラブストーリーが少し続いたので、 印象をガラリと変えて、サイコパスやミステリーなどで、不良というか悪い役などに挑戦して、 演技の幅をどんどん広げていきたいですね。

Profile

平祐奈 女優 1998年生まれ、兵庫県出身。
						11年に『奇跡』で女優デビュー以降、多くの映画やTVで活躍。おもな映画出演作に、『紙の月』(14)、
						『青空エール』(16)、『きょうのキラ君』(17)、『サクラダリセット 前篇/後篇』(17)、『暗黒女子』(17)、
						『ReLIFE』(17)、『未成年だけどコドモじゃない』(17)などがある。いま最も輝いている若手女優の1人。
取材・文=折田千鶴子
					撮影/YOONCHONGSOO スタイリスト=川上舞乃 ヘアメイク=藤井陽子

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