THE VOICE|special interview:「映画にかける思い」映画業界に関わる著名人の方々に、さまざまな角度やテーマで映画にまつわるお話をしていただきます。/VOICE52 放送作家 鈴木おさむ

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45歳のおっさんが監督した映画にしては、かわいいものになっています(笑)。

ラブ×ドック

―5/15(金)公開「ラブ×ドック」は目移りするような楽しさにあふれた、かわいい恋愛映画でした。女子心をくすぐるアイテムの数々―― スイーツ、金魚、熱帯魚、ファッション等々、見ているだけでもテンションが上がりました!

確かに、当時45歳のおっさんが監督した映画にしては、かわいいものになっていますよね(笑)。 僕、本職が放送作家なので、自分の得意な部分を生かして作りたいと思って。 スイーツデコレーションは渡辺おさむさん、金魚まわりはアートアクアリウムプロデュースの木村英智さん、 タイトルデザインにはイラストレーターのShogoSekineさんなど、僕の中にはない色で他の人の力を借りられるなら 借りた方がいい、と思って協力をお願いしました。単純に絵が楽しくなりますから。 音楽の加藤ミリヤさんもそうですが、そういうサービスカットを恥ずかしげもなく入れることに、全くもって僕はてらいがないので

―ヒロインの飛鳥役の吉田羊さんは、あて書きになるのでしょうか?

いや、脚本を書いた後にお願いしました。アラフォーの恋愛映画で主役を演じられる人って、実はあんまりいない。 若くして売れていた人は新鮮に見えないし。その時点で羊さんはまだ“恋愛もの”の蓋を開けていなかったので、すごくいいなぁ、と

ラブ×ドック

―飛鳥の親友で、シングルマザーの千種を演じた大久保佳代子さんも、素晴らしかったですね。

数年前に舞台で大久保さんとご一緒したとき、彼女に“熟女でブスのAV嬢”をやってもらって、すごく上手かったんですよ。 芝居ができることは分かっていたし、千種のバツイチでシングルという設定も合うので

―その2人の力関係、千種が飛鳥に“私のことをずっと見下していたのね”というセリフなど、非常にリアルでした。

まさに、それが言いたかったことです! 女性って、美人とそうじゃない人が友達同士って結構ありますよね。女の怖さがよく出ている。 うちの奥さん(森三中の大島美幸さん)がよく言うのですが、若い女の子が女芸人を見て『かわいい~』って言うのは、 上から見ているからだ、と。もし自分の男をその女性に取られると思ったら、絶対に『かわいい~』なんて言わないですよ

―なるほど…。そんな飛鳥も最後は反省しますね。

結局、飛鳥も『どこかで千種を見下していた』と認めたからこそ反省した、ってことですよね。 僕の観察によると、美人って40歳、50歳になってくると劣化が目立つんですよね。 それに対し、60~75点くらいだった女性は、劣化が緩いんですよ。 それでどこかの時点で、“美人”と“そこそこの女性”のグラフが交差するんです。65点の人はそれを分かっていて、 “追いついたぞ”と。美人の誰それは目の皺がすごいな、とほくそ笑むんです(笑)。美人だからと言って幸せになれるわけではない、とか、 40歳になると色々なことが見えてきて、色々な価値観に気づく、というのも飛鳥の一つのテーマです

3人の男たちとヒロインのキスシーンは、キス大喜利みたいなもの(笑)

鈴木おさむ

―そして、飛鳥の3人の男とのキスシーン! それぞれが印象深くて大きな見どころですよね。

かつては恋愛ドラマって、例えばトラックの前に突っ込んで『僕は死にましぇん!』とか、パロディにされる名シーンが すごく多かったんですよ。パロディにされるということは、少し行き過ぎていたり演出過多だったりするわけだけれど、 でも心に引っかかるということでもあるんですよね。今回も本当に素敵な恋愛のシーンを描くというよりも、『そんなことしねーよ』 とか言いながらも妙に印象に残ってしまうものを作りたいなと。普通に手と手をとってキスをするのも、 キュンとするのかもしれないけれど、男の人が見たら印象に残らないし、吉田鋼太郎さん、玉木宏さん、 野村周平くんそれぞれに、キス大喜利とでもいう感じで、人によっては笑っちゃったり ツッコんだりするようなキスシーンを、本気でやってもらいました

―エンドクレジットまでキスで攻めてきましたね!

最初は予定していなかったのですが、本編の撮影中、“もっと見たいな、面白いな”と思いつつ、カットしたシーンがあって。 この映画は恋愛映画なので、キスで終わるのもいいかな、と。どちらを使うか相当悩んで選ばなかった方の キスシーンをエンドクレジットに入れています。キスしているのに、クレジットと一緒にロールでどんどん上に行っちゃう、 ってのも面白いでしょ

Profile

高校時代に放送作家を志し、91年、19歳のときに放送作家デビュー。数多くのバラエティ番組の構成を手掛けて売れっ子に。
						現在も多くのレギュラーを抱えるほか、映画やドラマの脚本や舞台の作演出、小説の執筆など幅広く活躍。私生活では、02年、交際0日で森三中の大島美幸と結婚したのも話題に。
撮影=TAKAMURADAISUKE 取材・文=折田千鶴子
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