THE VOICE|special interview:「映画にかける思い」映画業界に関わる著名人の方々に、さまざまな角度やテーマで映画にまつわるお話をしていただきます。/VOICE54 俳優 舘ひろし・女優 黒木瞳

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「仕事一筋で定年を迎えると足場を失ってしまう。
					僕はフワフワして生きてきたので、その心配だけはないですね(笑)」(舘)

―俳優という仕事には“定年”がありません。6/9(土)公開「終わった人」にご出演されたお二人から見ると、 田代壮介・千草夫妻が直面する“定年騒動”をどのように感じましたか。

舘:

最初はピンと来なかったですね。でも逆に、定年を考えたことがなかった自分が危ういな、と思いました。 使えないのに頑張っている、なんてことにならないよう自分自身がどこかで(キャリアを)切らないといけないな、と

黒木:

私は夫がサラリーマンなので、身につまされています。やっぱり彼も定年を迎えたとき “生前葬だ”と思うのかな、とか、次の日からずっと家に居るのかな、とか(笑)

舘:

壮介のように仕事一筋で来ると、定年でその足場を失ってしまう。だからやることがない。 逆に、僕は地に足を付けたことがなくフワフワして生きてきたので、その心配だけはないですね(笑)

終わった人

―『リング』『仄暗い水の底から』などホラー作品が思い浮かぶ中田秀夫監督が、今回、人情喜劇に挑まれました。 資料によると舘さんご自身も“慣れないコメディ仕立てで不安もあった”とあります。現場でコミカルなシーンをどのように作られていきましたか?

舘:

ちょっとやり過ぎかな、と思うようなお芝居も監督の許容内だったので、どんどん楽しくやらせていただいて。 脚本にないお芝居も、たくさん現場で生まれていきました

黒木:

もう、舘さんが可笑しくて。カッコつければつけるほど、どんどんみじめに見えていくのが、スゴイ!! 普段の舘さんとは全然違って

舘:

一番すごかったのは、広末(涼子)さん演じる若い女性と食事をした後、壮介が妄想で頭をパンパンにして“あまりお酒を飲まなくて正解だった~”と快哉するカット。 あれ、僕の股間の下からカメラが狙っているんですよ。中田監督、割とえぐいカットも撮る(笑)!

終わった人

「観る方にエールを送れる作品。大人の方々に楽しんでいただけると思います」(黒木)

―中田監督と何度もお仕事をされている黒木さんから見て、今回の現場での監督は、いつもと違う緊張感などがありましたか?

舘ひろし・黒木瞳

黒木:

いつも以上に、とても楽しんでいらしたと思いますね。何しろ監督がすごく惚れ込んだ原作の映画化。 壮介がご自分と同じ東大卒ということもリンクしたんでしょうね。 “特技のない東大生ほど、潰しがきかないものはない”というセリフも琴線に触れたから、セリフとして生かされたのだと思いますし

舘:

1カット1カット、魂こめて撮影されているのが伝わってきますよね。毎回、本番に入る際、監督が必ずキュッとハチマキを締め直すんですよ。 それで一度、手を後ろに持って行って締めようとしたらハチマキがなくて、エアハチマキしていた!(笑)

黒木:

え、可愛い(笑)!!  それくらい集中していらっしゃるんですね

―最後に、映画を観る方へのメッセージをお願いします。

舘:

タイトルは『終わった人』ですが、人間はなかなか終われない、ということをこの映画は描きたかったのかな、と思います。“だから、もっと前向きに行こうよ”と

黒木:

終われないからこそ、観る方にエールを送れる作品なのかな、と。大人の方々に楽しんでいただける作品になっていると思います

Profile

舘ひろし 俳優 1950年生まれ、愛知県出身。76年、「暴力教室」で俳優デビュー。
						以降、「西部警察」や「あぶない刑事」シリーズなどをその一方、歌手としても活動する。近年の主な作品に「なるようになるさ。」(13~14)、
						「クロスロード」(16)など。5/6(日)より、WOWOWで主演作「連続ドラマW 60誤判対策室」が放送中。
						黒木瞳 女優 福岡県出身。宝塚歌劇団月組のトップ娘役を務め、85年に退団。86年に「化身」で映画デビュー。
						おもな映画出演作に「失楽園」(97)、「破線のマリス」(00)、「仄暗い水の底から」(02)など。「嫌な女」(16)では初監督を務めた。
						また、エッセイ集や詩集、翻訳絵本など、幅広い分野で才能を発揮している。
撮影=野崎航正 取材・文=折田千鶴子 スタイリング=中村抽里(舘)、
					後藤仁子(黒木) ヘアメイク=岩淵賀世(舘)、近藤志保(黒木)
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