【ストーリー】

悪名高き盗賊“洲走の熊五郎”の捕り物で命を落とした岡っ引・政蔵。その女房・お延は夫亡き後、小さな茶店を営みながら、女手ひとつで一人息子の由松を育てていた。ある日、お延は旅商人の信太郎と名乗る男を助ける。二人はやがて惚れ合い、所帯を持つ約束を交わす。信太郎は数日後に必ず戻ると言い残し商いの旅へ出た。その直後、お延は火付盗賊改方に渡された熊五郎の手配書を見て驚愕。熊五郎の人相は、信太郎と瓜二つだった。盗賊仲間の奪還を企てる熊五郎。その襲撃に備える火付盗賊改方。信太郎の正体に怯え、悲しみと憎しみに震えるお延。それぞれに運命の時が迫る。