―『ネクスト・ゴール・ウィンズ』、ご覧になっていかがでしたか?
この映画は、まずはキャッチコピーにも<みんな、幸せになろう。>とあるように、やっぱりサッカーを楽しむことは大事だなということ改めて示しています。もちろん厳しい競争の世界なので、一概に“楽しむ”って難しいと思うのですが、その気持ちを忘れずにやることは、最終的にみんながひとつになる上でも大切で、すごく重要なことだなと感じました。
―プロとして日本代表にもなられる過程では楽しいだけじゃいけないとも思いますが、現役時代はどのようなマインドでプレーをしていましたか?
確かに楽しむ頻度は間違いなく減るのですが、でもやっぱり必ず残っている、残しておかなくてはいけない、ということはプロになってからも実はずっと考えていたというか。自分自身が楽しむこともそうなのですが、プレーを見ている方がやっぱり楽しくないといけない。
―映画もサッカーもエンターテインメントであると。
サッカーもエンターテンイメントだと思っているので、見ている方が楽しくないといけないんですよね。笑うという楽しさだけじゃなくて、僕らが必死に汗をかいて、ひとつのボールを必死に追いかけている姿も楽しめるわけじゃないですか。頑張っているな、って。そういうものも重要だなと思って現役中はプレーをしていましたね。
―サッカーもエンターテインメントで楽しいということを、今指導者として子供たちに伝える側だと思いますが、言葉の説明だけでなく、こういう映画を観ながらだとより分かりやすいかも知れませんね。
そう思います。僕自身、サッカーでそういうことを表現するって難しいなと思っていたんです。11対11の複雑なスポーツですし、いろいろなことが混ざり合うスポーツなので。でもこの映画は非常に感情移入しやすく、その辺は素晴らしいなと思いました。そしてサッカーを全然知らない方が観ても分かるように描かれているので、共感しやすいと思いました。
―映画の話ですが、これまでのベストムービーは何でしょうか?
大人になる前に『ショーシャンクの空に』を観たのですが、これに衝撃受けて感動した思い出があります。それと日本の映画で『サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS』にも考えさせられることが多くて、感動しました。最近は忙しくて、あまり映画館へは行けていないのですが。
―先ほど『ネクスト・ゴール・ウィンズ』は教材的な側面もあるとお話いただきましたが、これを機に映画館に行く回数も増えたらいいですよね。
そうですね。僕自身もやっぱり劇場で映画を観ることはいいなって思いました。子供と一緒に映画を観ることもありますが、お父さんとしてだけでなく、自分が観たいと思う作品もあるので、ひとりで観に行ったり、奥さんと観に行ったりしてもいいかなと改めてまた思いましたね。
―今子供たちに教える側の立場だと思いますが、改めて『ネクスト・ゴール・ウィンズ』を観て、明日から活かせそうな学びはありましたか?
言葉で子供たちに楽しもうと伝えることは難しいのですが、この映画から特に感銘を受けたことは、楽しむということは、楽をする、ふざけるということではないということですね。そこを上手く表現しているなと思いました。きつい練習をしますし、鬼監督の下で努力もしなければならない。
しかし、皆いろいろと抱えながらもひとつの目標のために努力をした結果、最終的に楽しむことの重要性に繋がることが上手く表現されている。僕自身も子供に「サッカーを楽しみなさい」と言いますが、実は楽しむってこういうことなんだと、説明をしやすくなったと今思っています。
―楽しむためには努力も必要ということですよね。
そうですね。嫌なこと、もしかしたら辛いことも悲しいこともあるかもしれないけれど、やっぱりそれを乗り越えた時に真の楽しさがそこにはあるでしょうと。それを感じるとたぶん長く続けていけると思うんですね。ただ楽をすることを楽しむだけだと、飽きたら辞めちゃうと思いますので。
―最後に『ネクスト・ゴール・ウィンズ』をこれから観る方にメッセージをお願いいたします。
サッカーに関係する方たちはぜひ観ていただければ、いろいろと感じることがあると思うので観てほしいと思います。いまの日本代表選手も観たほうが良いですね!(笑)。そしてなにより、それ以外の方たちにとっても本当に心を揺さぶられる作品だなと思うので、サッカーが題材の映画なんだっていうことをあんまり気にせず、たくさんの人に観てほしいです。