映画業界に関わる著名人の方々に、様々な角度やテーマで映画にまつわるお話をまとめました。
市村正親俳優
アフレコ用の映像を観た時に、とてもすごい、面白いと思いました。わたしが演じる役もすごいです(笑)。娘との関係性もいいですよね。ローハンの民のために、娘のために命を賭けていくというすごい話だなと思いました。民を守るため、娘を守るための父親としての生き様……これが壮絶で、僕自身、完成した作品を観るのが楽しみになりました。
親として王としてすごいですよね。僕はとてもじゃないけれど、自分でこの役をやるにふさわしい人間なのか……ヤバい仕事を受けちゃったなと思いました(笑)。それでもスタジオの中で監督とひとつひとつ積み重ねながら、なんとか乗り切りたいと思いました。
僕は体が小さいけれども50年以上役者をやって来て、声だけはヘルムのようなイメージはあると思うんです。特に最近、社長だ会長だ親分だ王だと、そういう役柄を演じることが多いですし、伝説のポケモンとか(笑)。自分の持っている魂と心意気で、このヘルムを作れたらなと思いました。自分も父親なので、父親として娘、ふたりの息子との関係、微妙な親子の会話などを大切にしようと思いました。
自分の体型はどうであろうと、自分の魂がその役になれば、その役を出来るところですね。その想像力、イマジネーションが役に反映していく気がしています。
他人の人生を生きる難しさを味わうために、僕は俳優の世界に入って来ました。ましてこのヘルムのような強烈な役だとしても、目をつぶっていれば、疑似体験でも自分がそこにヘルムとして生きられるわけです。それが楽しいから、難しければ難しいほどトライのしがいがある。難しいから嫌ではなく、難しいから前に行こうと思うんです。
ヘラはしっかりしていて、美しいキャラクターです。小芝(風花)ちゃんは少女のイメージがあったけれど、出来上がった作品を観たら、しっかり立派な女性でした!
全編音が鳴っていますよね、激しいものからそうでないものまでね。僕は最初アフレコ用の映像を観た時、負けていられないなと。これに合うような声の仕事をしなくてはと思いました。僕は1人で最初にアフレコをしたので、みんなが結集した映像を聞いて興奮しました。全編、ほぼ戦いなので最初から最後までハラハラしっぱなしでした。子供にも観せたいと思います。
BIOGRAPHY
1949年1月28日生まれ、埼玉県出身。
故・西村晃の付き人を経て、1973年に劇団四季の『イエス・キリスト=スーパースター』でデビュー。以後、ミュージカル、ストレートプレイ、一人芝居など様々な舞台に出演。1月からミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』、3月からミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』が公演予定。