THE VOICE|special interview:「映画にかける思い」映画業界に関わる著名人の方々に、さまざまな角度やテーマで映画にまつわるお話をしていただきます。/VOICE67 女優 木村文乃

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ずっと時代物をやりたいと思っていたので、嬉しかったです

―「居眠り磐音」(5/17公開)で、初の本格時代劇出演に際して思われたこと、所作を含めて準備されたことなどを教えてください。

居眠り磐音

ずっと時代物をやりたいと思っていたので、嬉しかったです。周りが“性格が古風だし、きっと似合う”と勧めてくれていて、その気になっていただけですが(笑)。すべてが初めてだったので、かつら合わせに始まり、衣装の着方を教えていただきました。所作については武家の娘ではないので、決まり事はさほど多くなく助かりました。先生が下駄を履いて京都の撮影所の敷地内を歩いてみましょうと、一緒に一周した時に、“ここの住人になれたんだ”と思えました

―ちゃきちゃきした町娘・おこんがとても魅力的でした。物語にリズムをつけ、みんなを繋げる役割を担っていますね。

私自身の性格は割と“月”側の人間なので(笑)、“太陽が似合う女性”とト書きされたおこんのような役をいただけて、余計に嬉しかったです。おこんの“深川の女”というポイントを、監督をはじめみんなで大事にしました。例えば小道具さんは、帯に入れた財布から鈴を少し出してみようなど、当時、流行の最先端にいた深川の女の“粋”を、みなさんが作ってくれました。所作の先生からも、怒る時や恥ずかしがる時など、着物の“たもと”を使うといい感情表現になるとアドバイスをいただいて、たもとを使うようにしたり。また、基本は真っ直ぐ立つのが美しいとされていますが、少しだけ片方の足の踵を浮かせて立つのが“粋”だよ、など教わって。そういうものを、1シーンごとに組み込みながら演じました

木村文乃

――悲しい過去を背負った主人公の磐音が身を寄せる、長屋の大家さんであるおこんの父・金兵衛との掛け合いが、下町情緒や人情に溢れていて非常に楽しいシーンになっています。演じられた中村梅雀さんとは、どんな話をされましたか。

木村文乃

初の時代劇で、一人で京都に長期滞在になり委縮していた部分もあったのですが、梅雀さんが本当のお父さんのように接して下さって。もしお父さん役が梅雀さんでなかったら、違うおこんになっていたかもしれないと思うくらいです(笑)。実は、京都って何を食べても美味しいから、逆に何を食べに行けばいいか分からなくて困っていると打ち明けたら、梅雀さんがお店をリストアップして下さったんです。しかも“日本酒が美味しいお店”“会話がいけるお店”とか書き添えてあって。実際に、本当に美味しくてアットホームでしたね

ラブストーリーであり、本格時代劇でもある。
どんな層の方でも楽しんでいただけるエンターテイメントです

―おこんは何かと世話を焼きますが、無一文の磐音のどんな点に想いを寄せるようになったのでしょう?

木村文乃

おこんの性格ですから、最初は“ちょっと面白い子が来たな、面倒を見てあげてもいいよ”程度だったと思います。その裏側に“本当は好き”という気持ちがあることに、まだ気づいていない、私が受けたのはそんな印象でした。だから“好き”と決めずに演じたのですが、そう映っていたらそれでいいな、と思っています。この物語に続きがあるとしたら、きっと好意に気づいていくだろう、というグラデーションも出していきたい、と思ったので

―磐音さんを含む幼馴染三人衆と、そこに絡む愛する女性たちの愛憎劇、江戸で磐音が用心棒をする両替商が巻き込まれる陰謀など、多面的な面白さに満ちた作品ですね。

木村文乃

松坂さんのファンの方々も“王道のラブストーリー”として楽しんでいただけると思いますし、実際にあったと思えるような事件とそれに対する解決法がきちんと組まれている上、殺陣シーンもたくさんあるので、コアな時代劇ファンの方々も楽しんでいただける。どんな層の方でも楽しんでいただけるエンターテイメントに仕上がっていると思います

Profile

木村文乃 女優 1987年生まれ、東京都出身。06年に「アダン」で女優デビュー。以降、多くの映画やドラマに出演。近年の映画出演作に、「追憶」(17)、「火花」(17)、「羊の木」(18)、「伊藤くん A to E」 (18)など。新作「ザ・ファブル」(6/21公開)が待機中。
撮影=野崎航正 取材・文=折田千鶴子 ヘアメイク=井村曜子 スタイリング=金順華(sable-et-plage)
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