THE VOICE|special interview:「映画にかける思い」映画業界に関わる著名人の方々に、さまざまな角度やテーマで映画にまつわるお話をしていただきます。/VOICE74 アーティスト TAKAHIRO 俳優 市原隼人 俳優 岡田義徳

「伏線も多いから、台本を読みながら自分はどの信長だったっけ?って思ったり」(TAKAHIRO)「まさに映画のすべての要素を盛り込んだ王道の娯楽エンターテイメントです」(市原)

―「3人の信長」(9月20日公開)はとてもユニークな時代劇ですね。

3人の信長

TAKAHIRO:

時代劇は初めてだったんですけど、現代劇に近いところもたくさんあったので、肩肘を張らずに挑めるなと思いました。ただ、謎解きの要素もあって、伏線もたくさん張られているから、台本を読みながら自分はどの信長だったっけ?と思ったり、騙されていたり。でも、それだけに挑戦し甲斐のある作品でした。

市原:

時代劇ですけど、誰が本物の信長なのか? が明らかになるクライマックスまでに、笑えるシーンや涙を誘うシーン、壮絶なアクション・シーンもある。まさに映画のすべての要素を盛り込んだ王道の娯楽エンターテイメントです。

岡田:

設定が面白いですよね。ひとつの作品で、3人の俳優が全員、織田信長を演じることなんてないですから(笑)。撮影に入る前は、これをどうやって画にするんだろう? という単純なワクワクとドキドキがありました。

―どのシーンの撮影が印象に残っていますか?

3人の信長

市原:

拷問のシーンもTAKAHIROさんが芋虫を食べるのをマジマジと見るシーンも、女の人の姿が見える穴を3人で取り合うシーンも全部が濃かったから、どれも印象に残っています。

TAKAHIRO:

芋虫を食べるシーンは本物も使ったけれど、イヤでしたね(笑)。

岡田:

あのくだりは、食べてない僕らが「こってりか? あっさりか?」って味を聞くのも面白かった(笑)。

TAKAHIRO:

笑いをこらえるのに必死でした(笑)。“監督、早くカットをかけてくれ!”と思いながら耐えていましたから。

岡田:

でも、あの面白さは、それぐらい真剣にやっているから出るものだよね。緊張感があったから笑いも起きたと思うし、僕たちが楽しんで演じたから面白いシーンになったような気がする。

―3人が変顔をするところも最高に笑えます。

3人の信長

岡田:

あそこは、僕が最初に監督から「アントニオ猪木さんみたいな喋り方でやってくれ!」って言われて……いや、俺が勝手に猪木さんだと思ったのか?(笑)

TAKAHIRO:

おっ、しゃくれるんだ~と思った(笑)。

岡田:

「しゃくれてくれ!」って言われて、俺が勝手に猪木さんだと思ったんだ(笑)。

市原:

僕たちはそれについていくしかないです(笑)。

TAKAHIRO:

そうそう。でも、現場には意外と緊張感があったので……。

市原:

あれはシュールでした。

TAKAHIRO:

誰も笑わないからね。監督もリハーサルでは爆笑していたのに、シーンとしているから、さっきまでの和やかな空気は何だったの?って(笑)。

岡田:

本当に己を見つめる作業に入っていたね(笑)。

「ふたりがやった芝居を残りのひとりが瞬時に理解して、それに応える芝居をしていた」(岡田)

―そして3人の正体が分かった後も大きな見どころですね。

3人の信長

TAKAHIRO:

そうですね。それこそクライマックスはひとつの見どころだけど、あそこでお客さんはまたワケが分からなくなっていくと思います(笑)。

岡田:

あれは命懸けのエチュードみたいなものですよね。ふたりがやった芝居を残りのひとりが瞬時に理解して、それに応える芝居をする。緊張感のある中でやるそのやりとりが面白さに繋がっていると思うし、だから騙されるんですよ。

―TAKAHIROさんの殺陣もカッコよかったです。

3人の信長

TAKAHIRO:

刀を持つアクションは初めてだったんですけど、腰の落とし方、刀の構え方から振り方まで、おふたりに細かくアドバイスをしていただいたので、なんとか乗り越えることができました。師匠と言っても過言ではないです。

市原:

いやいや、空手をやられていたから、基本がもうできていたんです。相手と対峙するときの心がしっかり入っていたので、僕はもう見惚れてました。血だらけで刀を振り回す姿には、何とも言えない美しさがありました。

岡田:

いま「師匠」と言ってくれたけど、「師匠」と呼ばれていた時間は一瞬で、すぐに僕らを飛び越えていったので素晴らしいなと思いました(笑)。

Profile


						TAKAHIRO 信長・甲役 1984年生まれ、長崎県出身。EXILEのヴォーカリストとして活躍する一方、「僕に、会いたかった」(19)に単独主演するなど役者業にも活動の幅を広げる。配信シングル「Last Night」配信中。初単独主演長編映画『僕に、会いたかった』のDVD&BDが、11月29日に発売。
						市原隼人 信長・乙役 1987年生まれ、神奈川県出身。 01年に「リリイ・シュシュのすべて」で映画デビュー。。主な出演作に、「ROOKIES-卒業―」(09)、「ボックス」(10)、「無限の住人」(17)、「あいあい傘」(18)、大河ドラマ「おんな城主 直虎」(17)など。今後、「桜咲く頃に君と」(10月25日公開予定)、ドラマ「おいしい給食」(10月スタート)などがある。 近年はフォトグラファー・映像監督としても活躍中。
						岡田義徳 信長・丙役 1977年生まれ、岐阜県出身。95年に映画デビュー後、多くのTVや映画に出演。近年の主な作品に、「セーラー服と機関銃-卒業-」(16)、「アイアムアヒーロー」(16)、「今日も嫌がらせ弁当」(19)、「王様になれ」(9月13日公開予定)、「いつかのふたり」(10月12日公開予定)、「生理ちゃん」(11月8日公開予定)などがある。
撮影=野崎航正 取材・文=イソガイマサト スタイリング=渡辺康裕(W/TAKAHIRO)、小野和美(ポストファウンデーション/市原隼人)、吉田幸弘(岡田義徳) ヘアメイク=下川真矢(TAKAHIRO)、大森裕行(ヴァニテ/市原隼人)、岩井マミ(岡田義徳)

イベント&サービス案内トップに戻る


  • 前のページに戻る
  • ページの先頭に戻る