THE VOICE|special interview:「映画にかける思い」映画業界に関わる著名人の方々に、さまざまな角度やテーマで映画にまつわるお話をしていただきます。/VOICE79 俳優 北村匠海

「これまでに演じたことのない役、かつ新しい挑戦でもありました」

影踏み

―映画「影踏み」(11月15日公開)にご出演されていらっしゃいますが、主演の山崎まさよしさんに会われて、どんなことを感じましたか?

「それこそ『うわぁ、山崎まさよしさんだ!!』と(笑)。初めてお会いして、すぐ本読みに入ったのですが、僕も音楽をやっている身としては、大先輩である山崎さんの、独特のお芝居のテンポというものを感じたのを覚えています」

―篠原哲雄監督については、どんな印象をお持ちでしたか? 山崎さんとタッグを組んで話題となった「月とキャベツ」はご覧になられましたか?

「監督に初めてお会いしたのは日本アカデミー賞授賞式で、すごく味わい深い映画を撮る方だな、という印象を持っていました。『月キャベ』はリアルタイムで観てはいませんが、あとから観ました。いま見ても面白いですし、色あせない映画だな、と。そんな名タッグのお二人とご一緒することには、ドキドキしていました」

影踏み

―山崎さん演じる修一の後を子犬のようについてまわる啓二を演じられましたが、少し謎の人物でもありますね。

「観ていくうちに感じる“違和感”をお芝居でも意識したので、これまでに演じたことのない役、かつ新しい挑戦でもありました。有機的な流れの中に、無機質なものがポンと入ったチグハグ感で成り立つ役というか、存在意義というか。いつもと違う北村が観られるかもしれません」

「観る方の切り取り方次第でどんな見方も感じ方もできる作品」

影踏み

―主人公が“ノビ師”という泥棒であるのも珍しいですが、本作の面白さをどんな風に感じますか?

「横山秀夫さんの原作が、本当に面白いんです。すごく人間臭くて、民と官、それこそ民の底辺にいる泥棒と、官の警察の話を土台に、すごく純粋な家族の愛や絆、兄弟の絆や執着が描かれています。映画は、観る方の切り取り方次第でどんな見方も感じ方もできる作品で、重厚感もありつつ篠原監督らしいアナログ感もあって、最近なかなか観ない渋い世界観だと思います。また映画音楽も(山崎)まさよしさんが手掛けていますが、映画音楽としての映画の切り取り方もすごくクオリティが高いと思います。単純にハラハラドキドキもでき、最後は家族の愛を感じられる温かさがあるところに、僕自身も胸を打たれました」

影踏み

―北村さんにとっては、周りが年の離れた大人ばかりの現場で、緊張されたのではないでしょうか?

「同世代との共演作も多いですが、意外と僕が最年少である現場も多いんです。今回はまた、大竹しのぶさんのようなレジェンドの方と、しかも非常に大事なシーンを一緒に演じられたのは、本当にやりがいがありましたし、すごく有意義な時間になりました。しのぶさんとは映画や音楽、ライブの話などをしました。尾野真千子さんは本当の“姉貴”のようで、弟のように可愛がって下さいました。キャリアを取っ払って接してくれる人が多くて、居心地のよい現場でした」

Profile

北村匠海 俳優 啓二役 1997年生まれ、東京都出身。08年に「DIVE!!」で映画デビュー。おもな映画出演作に、「君の膵臓をたべたい」「勝手にふるえてろ」(共に17)、「スマホを落としただけなのに」(18)、「君は月夜に光り輝く」(19)など。20年に、西加奈子原作の「さくら」、実写版「思い、思われ、ふり、ふられ」が公開。ダンスロックバンド「DISH//」のメンバーとしても活躍している。

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