
映画業界に関わる著名人の方々に、様々な角度やテーマで映画にまつわるお話をまとめました。
細田 佳央太俳優
前作が話題になっていたので、その続編にまさか自分が携わることになったと知った時は、驚きとともにプレッシャーも感じました。いただいた台本は原作の魅力をしっかりと引き継いでいて、ただ同時に、だからこそどう演じればいいのだろうと悩むことも多かったです。
一度ご一緒させていただきたいと思っていました。今回福原さんのお芝居を近くで見て、集中力の深さ、強さを感じました。普段なら強く行けない百合先生が、それでも生徒のためを想って強く出るシーンなどは、周囲が一気に引き締まるようなギアの上げ方をされていたんです。
ゼロから一気にギアを上げて、それが自己完結じゃなくて、周囲を巻き込んで深くなっていける方って、なかなかいないんです。特に20代でどれほどいるかという感じなので、自分も引っ張っていただきましたし、すごい集中力を持たれている方だなと思いました。
百合先生が戦争の悲惨さを身を持って経験しつつも、教師として教える立場になり、現代の子たちを相手にするので、どこまでどう伝えられるのかは夏に公開することもあってか、ひとつ気にはなっていたことではありました。
だから僕は、百合先生の授業のシーンが特に好きなんです。おそらく映画を観ているお客さんも、授業を受けている生徒たちと同じ気持ちになっていくのではないかと思います。音楽や当時の記録映像の使い方、教壇のシーンなどは、映画館で観てほしいなと思うところが多いですね。物語の時代は現代ですが、伝えられるメッセージがあるなと思いました。
よく行きます。なるべく高い席で観ようと頑張っています(笑)。リラックスしたいのもありますが、映画館にちょっとでも還元したいんです。ただ、好きな席はあって、スクリーンを正面にした右奥の角の席、一番後ろの右の角の席が好きです。それは映画を観た後に、お客さんの反応を俯瞰できるからなんです。あの瞬間もすごく好きなんです。
あとは邦画だと仕事柄、楽しむというより集中して観ちゃうのですが、エンタメとして洋画を観る際は、ポップコーンを食べながら楽しんでいます。
出ている映画が公開されたら、お客さんの反応を知ることができるので、自分のことをもうちょっと俯瞰で見ることができると思うんです。その作品で何を身に着けて何ができなかったか、より明確になる気がします。
僕が、圧倒的に現場が好きということはあるのですが、連続ドラマに比べて撮影時間が短いということがあり、短距離走と言われることもあるんです。ひとつのゴールに向かって、2時間の作品を一か月かけて作る。どの部署もみんなが同じところを向いてグッと集中している感じが、僕はすごい好きなんです。
あと、ドラマはドラマの面白さがあると思いますが、映画的にクスッとできることをドラマでやろうとしても、難しかったりする。映画館で観るから面白いという意味で、映画のほうが“範囲”が広いような気がするんです。やっていて自由度の高さを感じるというか。
台本に空白が多いということもあるのかもしれませんが、深掘りすれば深掘りするだけやりがいを感じられることも、すごく好きだなと思います。映画の面白さは、そういったところで感じでいます。
若い人に多く観てほしい作品ではありますね。後は、戦争だけでなく、今の10代の高校生は、何をすべきなのかを自分で見つけにくい世の中で生きていると思うんです。だから、そういう子たちの背中を後押しする作品にもなっているので、たくさんの人に届いてほしいです。

BIOGRAPHY
2001年12月12日生まれ、東京都出身。2019年、1000人越えの応募者の中から抜擢され、石井裕也監督作・映画『町田くんの世界』で主演。以後、映画『花束みたいな恋をした』(21)、ドラマ「ドラゴン桜」(21・TBS)など出演を重ね、2023年、NHK大河ドラマ「どうする家康」では、徳川家康の嫡男・徳川信康を演じて話題に。そのほか、2025年、NHK連続テレビ小説『あんぱん』、2026年は、「ちるらん 新撰組鎮魂歌」、『人はなぜラブレターを書くのか』、『未来』などに出演。待機作に映画『さとこはいつも』がある。