
映画業界に関わる著名人の方々に、様々な角度やテーマで映画にまつわるお話をまとめました。
尾上 松也歌舞伎俳優・俳優・声優
金田一耕助という役は、この長い歴史の中で30数名の方が演じられているそうですが、演じる機会はどなたにでも訪れるわけではないので、このような機会をいただけたということは、挑戦するべきだと思いました。
少し怖い印象で、そこに私立探偵の金田一耕助が現れ、事件に翻弄されていくイメージがあります。実際の事件・出来事をモデルにしているので狂気や恐怖もありますよね。
完成した映画を試写で拝見しましたが、本当にあっという間に終わってしまったなというか、飽きるところがひとつもなく、集中してのめり込んでしまいました。自分が出演しているのにも関わらず、いち観客として映画を観た時にそういう感情になれたことが、とてもうれしくて。僕日頃から映画をたくさん観るのですが、やはりどこか長く感じたりする作品も中にはあるものなんですよ。それが今回この『八つ墓村』ではまったく感じなかったのは、さすがは清水監督の手腕による作品だと感動しました。
僕は映画館では映画を真ん中で観たいので、必ずと言っていいほど真ん中か、その少し後ろで観るようにしています。ですので、シアターによっては必然的にプレミア系の席になることが多いので、それがある劇場ではそこで観ています。家のようにリラックスして観ている感覚が好きなんです。
特にこれというものはなく、コメディーもラブストーリーもアクションも、全ジャンル好きですね。その時の気分によって作品を選んで観ています。
最近だと友人に勧められて『シラート』を観ました。良い悪いではなく、とても斬新で、とてもセンセーショナルな作品だと思いました。観た人と話さずにはいられないような内容ではありましたが、そういう映画もいいですよね。
やはり映画を観るならば映画館が一番だなと思いますね。もちろん家でも映画は観ますが、始まってから終わりまで、まったく身動きせずに観ることって、不可能じゃないですか。結局、途中でスマホをいじったり、ご飯を食べたりしてしまいます。たとえば2時間3時間の作品だとしても、初めから最後までずっと集中して観ることは家だとなかなか難しい。その作品を集中して観たいのであれば、やはり映画館。もちろん音響なども違いますけど、集中するには映画館が一番だと思いますね。
そうですね。いつもは自分が出ている作品ではあまり行かないのですが、行ってみたいなとは思っています。10年前、1作目の『モアナと伝説の海』の日本版声優でマウイ役で参加した時は、うれしすぎて1回行きました(笑)。大好きな念願のディズニーアニメーションの声優でしたので、劇場で観ている方たちの反応を感じながら自分の声も感じたかったですね。
清水監督が手がけられていますが、決して怖さだけではなく、ある種のファンタジックなどもバランスよく織り交ぜられていますし、それでいながら元々の「八つ墓村」が持っているメッセージ性もしっかりあると思います。群衆の恐怖とか物理的な怖さですよね。霊やファンタジックな部分ではない、人間心理の怖さみたいなところです。
そして家族の在り方みたいなテーマも「八つ墓村」に感じるテーマのひとつかと思いますので、そこが損なわれずに新たな映画『八つ墓村』として、清水監督の色として作り上げられている作品になっているかと思います。

BIOGRAPHY
1985年1月30日生まれ、東京都出身。父は六代目尾上松助。1990年5月、歌舞伎『伽羅先代萩(めいぼくせんだいはいぎ)』の鶴千代(つるちよ)役で初舞台を踏む。2015年からは若手が中心となる新春浅草歌舞伎において数々の大役を勤め、2023年「新作歌舞伎 刀剣乱舞 月刀剣縁桐」では企画・主演のみならず演出も手がけた。近年は歌舞伎に留まらずミュージカルをはじめ、映画、テレビドラマに出演するなど活躍の場を広げている。