
映画業界に関わる著名人の方々に、様々な角度やテーマで映画にまつわるお話をまとめました。
キタオ・サクライ監督・脚本家・俳優
僕の中にある「ストリートファイター」の一番のイメージは、とにかくクレイジーなキャラクターの集まりということなんです。一人ひとりがあらゆる意味で極端で、強烈な個性の集まりなんですよね。なので、そういう役柄を任せられるキャスティングにこだわりました。それが一番のキモで、ありきたりな配役をしてしまうと何も面白味がないと思ったんです。
なので、それこそスポーツ界や音楽界、実際の武術家・武闘家など、ありとあらゆる異なる背景を持った人たちをキャスティングすることで、混沌とした面白さが出るのではと思いました。それが一番苦労した点です。
物語の舞台が1993年というだけでなく、映画そのものが1993年に作られたかのように感じられるよう、そういうことも念頭に置いて作りました。



「ストリートファイター」が大ヒットしていた90年代初頭は中学生だったので、もちろん映画は好きでしたが、ちょうど「ストリートファイター」が爆発的にヒットしていたこともあり、自分も夢中になっていた時代でした僕は日本生まれなので日本にいる親戚から、アメリカでは手に入らない日本の漫画などを送ってもらっていました。
なので、アメリカ映画も好きだったけれど、日本の映画ももちろん好きで、両方の影響を受けて育ったようなところがあります。特にアニメで言うと『AKIRA』(1988)や『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』(1995)がすごい好きで、その思い出はありますね。
あとはアート系の映画も好きで、スタンリー・キューブリックの作品もよく観ていました。『ブレードランナー』(1982)や『トロン』(1982)など、そういう時代だったこともあると思いますが、あえてリスクを冒す、安全策を取らないような作風は、とてもガッツがあっていいなと思っていて、僕もそういう映画を作りたかったんです。だから今回、リスクを伴うかもしれないけれど、危険でドキドキして、でも楽しくてすごくクレイジーで、誰が観ても映画館で楽しめて満足できるような大胆な映画作りを目指しました。
リュウは複雑なキャラクターで、いろいろと抱えてるんです。ある種、『スター・ウォーズ』の武士道やサムライの精神に通じるものがあり、いつも自分の中で善と悪が戦っているんです。そういう点も含めて、とても魅力があるキャラクターだと思っています。
『ストリートファイター/ザ・ムービー』は、ファンのみなさんのために作った映画です。ゲームの世界からすべてが飛び出して、そのままスクリーンに展開されたタイプの映画を作りたくて、そこを目指しました。僕はあのゲームをプレイして育っていて、90年代初期から黄金期にかけたあの時代の大切な一部だったゲームなので、そこへの敬意、懐かしさ、想いを込めて作りました。そういう点にも注目してみてほしいです。

BIOGRAPHY
1983年生まれ、群馬県出身。幼少期にアメリカに渡り、アメリカ合衆国オハイオ州クリーブランドで育つ。コメディアンのエリック・アンドレが出演する『エリック・アンドレ・ショー』(2012~23年)のメインディレクターや、映画『バッド・トリップ ~どっきり横断の旅~』(2021年)の脚本・監督を担当。そして今回、世界的人気を誇る格闘ゲーム「ストリートファイター」を原作とする実写映画『ストリートファイター/ザ・ムービー』で監督を務めた。